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2015年05月27日号 Vol.4

☆特集1☆ Diorと彼、Diorの魅力

2015年05月27日 13:49 by monthly_tecci
2015年05月27日 13:49 by monthly_tecci
小室さんご本人からの提供写真を交えてお届けする大好評てっちのファッション。今月号はDior特集です。最近Diorをお召しになることが多い小室さん。早速TECCIがDiorにクローズアップ!

Christian Diorはその名の通り、同氏(以下ディオール氏)が設立したフランスのファッションブランドです。
1905年に生まれ、裕福な家庭環境で育ったディオール氏は、幼い頃から芸術に興味を抱いていたものの、父親の意向でパリ政治学院に進学。しかし芸術への思いを諦めきれず、芸術家を後押しする仕事の提案で父親を説得し、父親の出資のもと現代美術ギャラリーを開設しました。しかしその数年後に大恐慌で父親が資産を失い、ギャラリーの閉鎖は勿論、住む場所さえも失ってしまいます。一転貧しい生活を経験したディオール氏でしたが、画家である友人の勧めで始めた自身のスケッチを売る仕事をきっかけにデッサン画家としての経験を積み、オートクチュール(※1)・メゾンで働くまでに成長を重ねたのです。

その後、テキスタイル王マルセル・ブサック氏から金銭の援助を受け、1946年12月にChristian Diorのメゾンが設立されます。そして翌年初コレクションを発表すると、各マスメディアがサロンを埋め尽くし、富裕層の女性たちばかりでなくタクシーの運転手までもが話題にするほど、世界中へ拡散されていったのです。まさにDiorがファッション革命を引き起こしたといえるでしょう。

また、ディオール氏は決して努力を惜しまない人でした。毎年新しいコレクションを発表、コレクション毎にシルエットを変えて、しかもそれは毎回より進化したものだったのです。一方でビジネスマンとしての才能も発揮。オートクチュールの他にも、バッグ、サングラス、化粧品、香水などを売り出し、現代のファッションブランドの礎を築き上げ、1950年はパリ・オートクチュールの全輸出利益の半分以上をDiorが占めるという、まさに「ファッション=Dior」の時代でした。しかし、デビューから11年後にディオール氏が急逝。ブランドを引き継ぎ、その穴を埋めたのは当時21歳のイヴ・サン=ローランでした。

現在Diorのデザイナーは、ジルサンダーから電撃移籍したラフ・シモンズが就任しています。
2015年3月から日本で公開されている映画『ディオールと私(原題:Dior and I )』は、Diorのオートクチュール・コレクション完成までの舞台裏を追ったドキュメンタリーです。オートクチュール未経験のシモンズが老舗ブランドの伝統に挑戦する苦労や心の葛藤が描かれ、また伝統あるアトリエにカメラが入り、優秀なお針子たちの貴重な職人技術を観ることができます(ハイヒールで作業していたのが印象的!)。編集部でも鑑賞した映画です。これから公開になる映画館もありますので、ぜひ鑑賞してみてください。

(※1)オートクチュールとは、フランス語でhaute「高い」・couture「仕立て服」、高級仕立服とその衣装店を意味する。1946年には約100のメゾンが存在していたが、現在はDior含めた12メゾンのみ。

そして、2000年に初代クリエイティブ・デザイナーとしてエディ・スリマンを迎えてブランドが始まったDiorのメンズラインであるDior Homme、初コレクションのタイトなシルエットは一大旋風を巻き起こしました。
思えば1990年代のメンズファッションといえばストリートファッションが流行し、コレクションでも太めのパンツが使われていましたが、スリマンはそれを見事に覆し、発表した細いデニムやスキニーパンツは大ヒット。Dior Hommeはメンズブランドのトップに君臨するまでになったのです。
スリマンは2007年任期満了で惜しまれつつDior Hommeを去り(現在はサンローランのメンズ、ウィメンズのクリエイティブ・ディレクター)、後任には彼の元アシスタント、クリス・ヴァン・アッシュが就任しています。

現在Dior Hommeはメンズラインとしては非常に珍しい年4回のコレクションを発表しており、これにより他のブランドとは異なり、春夏・秋冬の間にも新しい服を見ることができます。小室さんは2015年秋コレクションをすでにチェックされているのかな?!

それでは、Diorと彼(小室さん)をチェックしていきます。

フードつきジャケット(\350,000 編集部調べ)


 
前髪パッツンされる前まで頻繁に着用されていた伊達メガネ(\114,031 編集部調べ)

TECCI Vol.2のマックイーン特集で登場したハートプリントシャツ(\130,000 編集部調べ)
 

TECCI Vol.3の時計特集で登場したゼニスの自動巻きムーブメントを搭載した腕時計 (\1,123,200 編集部調べ)

これら全てDior Hommeです。
最近のお召し物では、

1. Painterly scribbles shirt (\72,500 編集部調べ)]
TM NETWORKのオールナイトニッポンで着用。
クリス・ヴァン・アッシュは、入学も難しいが卒業は更なる難関だと言われる名門、アントワープ王立芸術アカデミーを卒業しています。他の卒業生にはマルタン・マルジェラがおり、ラフ・シモンズも入学志望でしたが、学長に「ここで学ぶことはない」と言われ引き続き独学で服を作っていたそうです。かつてはゴッホも数ヶ月在籍していたという、その校風からくるものなのでしょうか、このシャツを見たとき、画家の描いた抽象的な絵画のようだと思いました。
(今月号の表紙は、ぜひこのシャツで!という編集部たっての願いで、カラフルな色使いのイラストが特徴的な、りずさん(@rz_1974)に描いていただきました。)

2. Bleu Marine wool V-neck sweater (\99,000 編集部調べ)

TM NETWORKのオールナイトニッポンで着用。

3.Black tie wayfarer acetate sunglasses (\46,000 編集部調べ)

ブレファ!Digitalian is eating breakfast 5♪ ロンドンにも持って行かれていましたね。

4.Handwriting print shirt (\69,160 編集部調べ)

1950年代ディオール氏が書いた手紙の文字を取り入れたシャツです。ブリティッシュ・エアウェイズの機内からTweetされていました。ロンドンでは大活躍でしたね。

5.abstract print T-shirts (\25,000 編集部調べ)

こちらも抽象画のようなデザインのシャツです。この色違いのTシャツはどちらも着用された写真はまだ出ていないはず!夏に向けて今後要チェックアイテムですね。

ここで、TECCIから小室さんに質問!
Diorはどこが好き?また小室さんから見るDiorはどんな印象なのでしょう?
Answer from Tetsuya Komuro
ジョン・ガリアーノが手掛けていた頃(※1996〜2011年)がすごくかわいかった。最近は男性(Dior Homme)にも力を入れているようで、例えば1のシャツのように女性寄りのデザインになってきたと思う。そして同じヴィトングループで(※2)どこか自分に合っている気がする。思ったほど値段が高くなく、着回ししやすいとこも魅力的。

そういえば、秋元康さんが755でアップしていた写真で小室さんが着用されているスーツもDior Hommeだそうですよ。

Diorの歴史を紐解くと、伝統と革新のブランドとして長い年月ゆるぎないポジションに君臨し続けているのが分かります。そして歴代のデザイナーたちが別のトップ・ブランドを創り上げて活躍していたりと、才能あるデザイナーを多く生み出しています。
Dior Hommeの歴史はまだ浅く、新たなDiorの歴史を創り始めています。どこかレディライクな上品さや繊細さが漂うDior Hommeのデザイン。だからこそ小室さんもお気に入りなのでしょう。

(※2)LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)
1987年ルイ・ヴィトンとシャンパン「モエ・エ・シャンドン」とコニャック「ヘネシー」のモエ・ヘネシーが合併。1984年にブサック社の持つChristian Diorを買収したベルナール・アルノー氏が、1989年LVMHを買収。その後も多くの高級ブランドの買収に成功し続け、世界3大ファッション企業の一つである。
 
 
 
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